ARTIST INTERVIEW

現代アーティスト、踊絵師として活躍する・SAORI KANDA(神田さおり)の独占インタビュー。
「時代と共鳴するスピリチュアルアート」
SAORI KANDA Exhibition「生命讃歌ー Self Love For World Peaceー」<2024年7月5日(金)〜7月15日(月)>

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男性性を象徴する龍と女性性を象徴する女神が愛し合い、調和した世界を雄大かつ優美に描く。神田さおりが目指すのは「魂が悦ぶアート」。彼女のスピリチュアルアートが注目される理由とは?

ーー 昨年のニューヨークでの個展はいかがでしたか?

ニューヨークの個展が決まってから(アートパフォーマンスの際に)世界平和を願って「イマジン」を歌いたいと思っていたんです。ニューヨークという土地であの曲を歌うことは畏れ多くもあり、すごく勇気がいることでした。でも、絶対やると私の中の龍が奮い立ちました。

描き上げた絵の前で魂を込めて歌うと涙を流す方もいて、スタンディングオベーションが起きたんです。絵、踊り、歌といった表現方法が融合していることを賞賛してもらえ、多くの人に(自分独自の表現を)「Go on!(続けろ)」と声をかけてもらえたことが、いちばんの悦びでした。

打ち上げ会場のユニオンスクエア・カフェ(ニューヨークの歴史あるレストラン)でもキュレーターのKyoko Satoに勧められてイマジンを急遽歌いました。その場に居合わせた見ず知らずの他のお客さんみんなが拍手してくれ、作品単体ではなくリビングアーティストに対するリスペクトとリアルエナジー、人間のもつ生命力の強さを感じましたね。

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アメリカ・NYCのNIPPON Galleryで行われた個展 「 Self Love For World Peace 」での様子(Photo : Jake Price)

ーー それが、今回の「生命讃歌」に繋がるわけですね。

私自身、ちょうど前回のYUGEN Galleryでの個展をやろうとなった時にプライベートで辛い経験をして、自分を愛することの大切さと生きる意味について人生でいちばん強烈に向き合うことになりました。この2年間で一度は失った自信を丁寧に取り戻し、自分への愛を諦めずに深めることで、内側で育まれた愛はやがて外へとあふれてゆき、それこそが世界平和に繋がるんだっていうセルフラブの本質に辿り着いたんです。

セルフラブというと、自分だけが良ければいいというセルフィッシュと混同して捉えられがちですが、実際は全然違う。セルフィッシュは外の世界に「負けてなるものか」と対峙している状態で、自分の内側とは対峙していない。本当に自分を愛せていない。セルフラブとは自分の内側に丁寧に向き合う事で、魂の声に誠実に耳を傾けること。

ひとり一人が自己愛と自己信頼を深めて、産まれた時に授かった本来の能力を取り戻すことなのだと思います。自分の生命に誠実だから、他人の生命にも誠実になる。愛の在り方で外界と触れ合える様になる。世界平和とセルフラブは繋がっているのだと体感しています。

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 《Self Love For World Peace / SAORI KANDA》2024  (Photo by Woody Little)

ーー 魂を「Higher Self」と表現されていますね。

魂は、それぞれの肉体に宿っているのではなく、お月様くらいの高い位置から見守ってくれているイメージ。世の中の常識とされるものに思考で縛られて、本当は嫌だと魂が感じていることを無視してやっていると、気が付かないうちに魂と肉体の繋がりが薄まって、やる気や情熱など生命力が弱まっていく。今、そこに気がついて何とかしたい!と感じている人がどんどん増えていると思うんです。

肉体はアバターみたいなもので魂が「感情豊かに生きよう」と、メッセージを送り続けている。生命を見守ってくれている魂の声を丁寧に聞いて尊重する。魂がときめく事を大切にしていく。それが、私の場合は歌や踊り、そして絵。自分なりの魂の悦びを解放し、溢れ出てくる愛をシェアして生きていると同じく魂からの自己表現を始める人達が増えて、とても幸せな気持ちになります。

アートに限らずどんな分野でも、誰もがそれぞれの魂のときめき、能力、分け与えるものを持っている。大丈夫だよ、思い出してと願いを込めてキャンバスに向かっています。

ーー 感情豊かに生きる象徴としてのモチーフが「龍と女神」。表現に変化は生まれていますか?

理屈だけでは測れない潜在意識の領域で何かをキャッチしているのに、行動力が伴わなかったりする時には(男性性の象徴である)龍が目醒めていない状態。その逆に直感や感覚をないがしろにして、他人軸で行動している時には(女性性生の象徴である)女神が目醒めていない状態。ふたつの調和が"自分らしく生きる"上でなにより大切なので、うちなる龍と女神がお互いを尊重し愛しあっている様子を描いています。

モチーフとしては極まっている感じがあり、表現手法に遊びが出てきましたね。新たな画材や描写に挑戦したり、絵を描くだけにとどまらず、昨年夏の長野の岡谷美術考古館での個展では「Dragon Goddess Harmony」という楽曲も生まれました。

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 《TITLE / SAORI KANDA》2024  (Photo by Yoshiyasu Shimo)

ーー そして、今回は初めての立体作品となる陶器を手がけました。

今年の春頃、陶芸家のHirotake IidaさんとKaori Kawashimaさんに出逢い、魂の悦びに生きるという話で共鳴したのがきっかけです。特別な白磁土で壺と大皿を作ってもらい、私が龍と女神のハーモニーを絵付けして作品を創ることになりました。

大皿には聖なるエロスへのメッセージ、特に女性が自分の官能的なエネルギーを誇りに思い、尊いものとして感謝する気持ちを持って欲しいとの願いから女性器を讃歌している絵を描きました。瑠璃と金彩で描くのは慣れるまで大変でしたが、新しい挑戦はやりがいがあります。

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《御神器 Sacred Eros “ 生命讃歌 " / SAORI KANDA》2024  (Photo by Yoshiyasu Shimo)

ーー 御神器をイメージしたとのこと。その着想はどこから来ていますか?

昨年、岡谷美術考古館での個展の際に縄文土器に触れるチャンスがあり、それらは祭祀に使用されていた可能性があることを知りました。器そのものが御神体であり、踊りや歌と共に祭りの中心に存在している光景が浮かび、御神器を作りたいという情熱が自分の中に灯り始めました。

幼少期にイラクやドバイといったアラブの文化圏に暮らしていたことからモスクの美しいモザイクアートや陶器のタイルで作られた建物の神秘的な存在感は私のルーツともいえます。特に青、白、金で彩られた美しいブルーモスクの記憶が強く残っていて、今回の制作では白磁の土選びに始まり瑠璃、金といった色遣いにもこだわりました。

閃きから作品が形になってゆくのは楽しい。Iidaさんに初対面でいきなり「器作ってください」なんて言ったら迷惑かなと、考えすぎて行動に移さなかったら、この作品は生まれていなかった。直感だけ。私の中の龍が奮い立って、この作品が生まれてくれました。「Nice!Dragaon Goddess Harmony」って感じです。

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《御神器 Dragon ∞ Goddess Harmony 01 / SAORI KANDA》2024  (Photo by Yoshiyasu Shimo)

ーー 神田さんのテーマ、作風は今の時代の空気感にシンクロしているように感じます。

この2年の間でも男性性と女性性の調和ということは、すごく話しやすい空気になっているし、現代アートにおいてもコンテクスト重視の男性性中心主義だけでは立ちゆかなくなってきていると思います。新しいムーブメント、時代の変わり目として2023年11月にMoMA(ニューヨーク近代美術館)が初めてスピリチュアルアートの女性アーティストの作品を収蔵したこともあり(※)、魂との繋がりを大事にするスピリチュアリティに触れるアートの価値は高まると感じています。

※インタビューで言及はされていないが、2024年1月20付のARTnewsの記事(https://artnewsjapan.com/article/1966)を参考にしている。

神田さおりのスピリチュアルアートは時代とシンクロし、ハーモニーを奏で始めています。「生命讃歌ーSelf Love for World Peaceー」は、7月5日(金)〜7月15日(月)まで。

ABOUT ARTIST
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SAORI KANDA

神田さおり

現代アーティスト。音・舞・衣・香・食などさまざまな表現を巻き込み、五感を満たす独自のセレモニーアートパフォーマー「踊絵師」としての活動が舞台芸術として評価され、中国や欧米、カザフスタン、インドなど世界各地に招聘される。2020年「女神開花」「聖なるエロス解放」をテーマとした作品シリーズをスタート。死生観に於ける命の源としての“性"に向き合い、自らを愛し直すことの重要性を作品に込めている。NISSAN、Canon、ALFA ROMEO等企業コラボレーション多数。

Instagram:@saori_an_jp

作家ページ
ABOUT
ARTIST
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SAORI KANDA

神田さおり

現代アーティスト。音・舞・衣・香・食などさまざまな表現を巻き込み、五感を満たす独自のセレモニーアートパフォーマー「踊絵師」としての活動が舞台芸術として評価され、中国や欧米、カザフスタン、インドなど世界各地に招聘される。2020年「女神開花」「聖なるエロス解放」をテーマとした作品シリーズをスタート。死生観に於ける命の源としての“性"に向き合い、自らを愛し直すことの重要性を作品に込めている。NISSAN、Canon、ALFA ROMEO等企業コラボレーション多数。
Instagram:@saori_an_jp

作家ページ
ABOUT EXHIBITION
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会期

2024.7.5 (Fri) - 2024.7.15 (Mon)

会場

YUGEN Gallery
東京都港区南青山3-1-31 KD南青山ビル4F

開催時間

平日:13:00〜19:00
初日・土日祝:13:00〜20:00

※7月5日(金)は招待客のみの限定プレビューとなります。
※7月6日(土)はオープニングセレモニー実施のため、16時開場となります。
※状況により、会期・開館時間が予告なく変更となる場合がございます。ご了承下さい。

休館日

なし

在廊日

会期中毎日

入館料

無料

注意事項

状況により、会期・開館時間が予告なく変更となる場合がございますのでご了承ください。

個展詳細ページ
ABOUT
EXHIBITION
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会期

2024.7.5 (Fri) - 2024.7.15 (Mon)

会場

YUGEN Gallery
東京都港区南青山3-1-31
KD南青山ビル4F

開催時間

平日:13:00〜19:00
初日・土日祝:13:00〜20:00

※7月5日(金)は招待客のみの限定プレビューとなります。
※7月6日(土)はオープニングセレモニー実施のため、16時開場となります。
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