YUGEN Galleryは、2022年2月に創立された現代アートを中心に取り扱うギャラリーです。ギャラリー名の「YUGEN」は、日本固有の美意識を示す「幽玄」に由来しており、その語に込められた「奥深さ」「崇高」「気品」「優雅」「艶」「壮大さ」といった価値を、現代アートを通じて国内外の多くの人々に伝えていくことを目指しています。

当ギャラリーは東京・南青山に最初の拠点を構え、2024年9月には福岡・天神に2つ目のスペースを開設。首都圏と九州という異なる文化圏をまたぎながら、それぞれの地域の特性に応じた展示や発信を行っています。南青山では主に月1〜2回、福岡では月2〜3回のペースで展覧会を開催し、アートとの偶然の出会いと継続的な対話の場を提供しています。

取り扱うアーティストは、日本の若手・中堅作家を中心に、独自の表現を追求する多様な才能を紹介。韓国出身の人気作家を迎えたアート・コレクティブ展など、国際的な視点を取り入れた企画にも力を入れています。また、従来の「書」の概念を拡張するARTSHODO展は、美術史的にも注目され、多くのアート関係者や研究者から学術的な関心を集めました。

さらに、社会的関心の高いテーマに向き合うこともYUGEN Galleryの重要な柱です。たとえば、広島のタメンタイギャラリーとの連携による「平和」をテーマとしたグループ展や、能登半島地震により破損した人間国宝作家の陶器を記録・可視化する蓮井幹生による写真展など、アートを通じて社会の記憶や課題に光を当てる試みに取り組んでいます。

2024年からはアートフェアへの参加も本格化し、アートフェアアジア福岡2024およびアートフェア東京2025に初出展。また、地域連携にも積極的に取り組み、南青山では「港区観光協会」に加盟、福岡では「Fukuoka Art Next」や「一人一花運動」、「福岡観光コンベンションビューロー」などの地域プロジェクトにも参画し、アートを通じた都市文化の醸成と経済活性化にも寄与しています。

設立からわずか数年ながら、YUGEN Galleryはその独自性と実践力によって、国内外のアートシーンに着実な存在感を築いてきました。今後も、作品と社会、地域と世界、鑑賞者と作家をつなぐ場として、現代アートの持つ可能性をより広く、深く届けてまいります。