よしながこうたく 個展「三途の川の此岸路」
2022.08.19(Fri) – 2022.08.24(Wed)
1979年生まれ。九州産業大学芸術学部卒業。福岡在住。18歳から作家活動をはじめ、イラストレーターとしても国内外の様々な媒体の仕事を手がける。はじめて手がけた絵本『給食番長』(好学社)が人気となり、シリーズ化。その他『ようかいガマとのシリーズ』(あかね書房)『ぼくだってウルトラマンシリーズ』(講談社)『ワオコッコ』(小学館)など作品多数。作品発表と並行して、日本各地で「読み聞かせ&ライブペイント」も開催中。
観る物を絵の世界に引きずり込むかのような力強い色遣いとタッチ。人気絵本作家としての仕事から想像もつかない、作家が自意識の底に降りて探し当てた本邦初公開の世界観。描くのは生死の境を表す「三途の川」の此岸と彼岸。此岸は苦難に満ちた人間世界を意味し、彼岸は欲や煩悩から解放された死後の世界を指す。人間のようで人間でない、精霊とも妖怪とも認識ができないものたちは三途の川の流れから外れ、此岸の波打ち際に寄せて溜まっている。これは作家が神々しい美しさを讃えていた川に沈む鹿の屍と目があった時、生きている者が死の世界を見つめるだけでなく、死者もまた現世を見つめ返していることを感じ取ったことから着想している。生死の連なりを描くと同時に、一日一日生きる喜びを祀り上げ、死への祈りとして絵画があることが示されている。
2022.08.19(Fri) – 2022.08.24(Wed)