長嶋五郎 個展「Thick Layer」
2022.08.04(Thu) – 2022.08.09(Tue)
武蔵野美術大学短期大学部美術科卒業後、イラストレーターとして雑誌『BRUTUS』、『サイゾー』、機内誌『翼の王国』など雑誌媒体から広告、アパレル、音楽関連、TV番組を中心に活動。2010年初個展「PROM HEARTS c/w 10SEC.TILL LOVE」(No.12gallery)
雑誌や広告でアクリルや水彩、鉛筆でイラストを描いてきた約25年間のキャリアを経て、美術の初期衝動を取り戻すかのように取り組んだ油彩画。ハンバーガーやホットドッグ、カートゥーンキャラクターなど、作家自身が憧れた1980年代のアメリカ西海岸カルチャーのアイコンをペインティングナイフで厚塗りして描いている。幸福な時代の象徴を描きながら、塗り重ねられるのは戦後日本のコンプレックス。モノやキャラクターを端的に切り取るのは日本のサブカルチャーに見られるフェティシズム的表現として見える。ここには国家や宗教など従来の権威を疑い、個人の感情や行為で過去を多様な可能性で捉えようとする意識がある。時代を象徴する具象とそのイメージから逸脱する抽象を混在させ、その間にあるものから時代の中での意味の変容を描き出そうとする。
2022.08.04(Thu) – 2022.08.09(Tue)