横山玄太郎 個展「暴走茶碗」

2023年2月25日(土)〜3月2日(木)

YUGEN Galleryでは2023年2月25日(土)〜3月2日(木)の期間、横山玄太郎の個展「暴走茶碗​​​​」を開催します。

展覧会情報

会場

YUGEN Gallery
東京都港区南青山3-1-31  KD南青山ビル4F

会期

2023年2月25日(土)〜3月2日(木)

開館時間

平日:13:00〜19:00
土日祝:13:00〜20:00
※最終日のみ17:00終了

休館日

なし

入場料

無料

注意事項

※状況により、会期・開館時間が予告なく変更となる場合がございますのでご了承下さい。

展示作品ハイライト

※展示作品は一部変更となる場合がございます。ご了承下さい。

来場者特典のご案内

ご来場時にアンケートフォームよりご回答頂いた方限定で、オリジナルアートブックを無料でプレゼントします。
展示作品や展覧会ステートメントが1冊にまとめられた、本展のみのオリジナルアートブックです。

 横山玄太郎 個展「暴走茶碗」アートブック 
収録アーティスト:横山玄太郎
 B4変型/定価1,650円(税込)

 ※アートブックのデザインは一部変更となることがございますのでご了承ください。

ステートメント

「用と美」からはみ出し、変態する陶芸 

女性の下着や乳房など工芸の枠からはみ出した題材をとり、ろくろの回転や窯の中で燃えたぎる火といった「動」をも鋳込む陶芸家の横山玄太郎。相容れないと思われていたものがぶつかり合い、価値観が変容するさまを陶芸で現します。

 1978年千葉県生まれ。現在は東京でアトリエ〈gent ceramics〉を構え制作活動を行っています。横山の陶芸との出会いは留学先のアメリカ・バーモント州の高校の課外活動でした。「ろくろを最初から上手に扱うことができ、いろんな人に褒められて好きになった」のをきっかけにハートフォード大学で本格的に陶芸を学びます。

 陶芸/工芸で語られてきた用と美。横山は、その間には違う世界が存在することをアメリカで学んだと話します。その間をゆらぐようにして横山は技法や素材、コンセプトを自由に変えて制作しています。時には粘土以外の素材も焼成する制作スタイルでテーマとするのが「動き」。陶器を動態メディウムとして追求します。

 「焚き火や波を眺めていて飽きないのはなぜか? 陶器自体は動かないので、動的な感情を陶器からどう感じさせられるかを考えています。陶芸は作っている途中の一瞬一瞬がとても綺麗で魅力的。僕はそれがすごく好きで過程の瞬間を見せたいと思っている」

 ひび割れや垂れ落ちる釉薬といった「破け」「割れ」「垂れ」。陶器には動きの瞬間を閉じ込めたものはあるものの、横山はアメーバーのような形状で今にも動き出しそうなものや、体温や柔らかさが伝わってくるかの下着や乳房をモチーフに選び陶芸の変態を試みます。 

 いっぽうで横山を特徴づけるのは伝統工芸の常識に囚われない編集感覚。「現代を生きる僕らはゼロからモノを作ることって不可能。イチにどう足し引きして新しいものに変換させられるかがクリエイティブのリアル」とし、陶芸との意外なかけ合わせでエロス、ユーモアなどを表現。ポップに工芸をジャックします。

暴走族の「集会」を茶道で表現 

そうして本展「暴走茶碗」でエディットするのは茶道と暴走族。横山は茶道のおもてなしの精神に共感し茶器の制作に取り組み、アート集団〈The TEA-ROOM〉の一員として日本の総合芸術「茶の湯」の可能性を探求してきました。今回、そこにかけ合わせるのが日本のカルチャーのひとつに捉えられる暴走族。 

 襟足の長いヘアスタイルを思わせる形や既製品の九谷焼に「改造」を施した茶碗。什器から持ち上げるとバイク音や暴走族のかけ声が鳴り、全ての茶碗を持ち上げると「集会」が始まるよう演出されます。

 ユニークで愛嬌のある作風の横山にとって攻撃的な要素を取り込むことはこれまでになかったこと。そうした自身の変革を試みる本展のきっかけとなったのは美術家の久保田弘成(※)の作品との出会い。横山は自分自身の創作活動を「型にはまっている」と感じ始めていた時に久保田の自動車を空中で高速回転させるパフォーマンスなどを見て、自分にはないダイナミックな表現に刺激を受けたといいます。今回茶碗5点、オブジェ3点の計8点で陶芸とは相容れない高揚感をもたらそうとします。

人の気持ちを乗せて道は美に通じる

「暴力的に見えるものを陶芸に昇華することでエンターテインメントとして成立させられるかどうか。これまでやってこなかった展示で、どんなアイディアに立ち会えるか自分自身に期待している」

 強烈な人間関係の中で手続きが進むコミュニティ。劣等感でも自暴自棄でもなく、社会全体を覆う空気を撹乱する行為。権威への抵抗というよりもリスクゆえの魅力のみ。それをピュアに追求するだけの暴走と、工芸とアートのギャップについて考えてきた横山の波長が合うことに不思議はありません。また子供の頃から横山がやってきたスケートボードと軌を一にするとも捉えられます。

 「街でもスケーターを排除するような作りになっているなと感じることはあって、そういった制限を乗り越えようとするチャレンジはアートそのもの。目的が設定された“用”だけの物はアートにはなり得ないけど、用に人の気持ちが乗ったものには美は宿るって思います」

 茶道と暴走とは道を追求する点で相通じる。器が人の気持ちを乗せ、道は流れる。ふたつの道が交差する先へ、美の陶酔の全開。 

 ※久保田弘成:各土地に残る土着的な祭礼に着想を得たパフォーマンスや陰茎に見立てた「根石」蒐集など国内外で物議をかもすプロジェクトを手がけている。

展覧会

2019年

東京・Gallery册 個展「SOFT TOUCH」 
京都・bijuu 個展「PIECE OF MIND」

2020年

東京・三人展「 花萬界然」 

2021年

東京・パークホテル グループ展「これやん」 
千葉・見浜園 グループ展「生態系へのジャックイン」

2022年

東京・ギャルリーワッツ 2人展「life」

東京・8claft プロダクト展「門仲地下一階」 

東京・羽田イノベーションジィティー グループ展「 HANEDA ART EVENT」 

東京・ベルサール六本木 アートフェア「tokyo international art fair」

作品販売について

展覧会開催と同時にYUGEN Gallery公式オンラインストアにて、作品の閲覧・ご購入が可能となります。
お支払いには、クレジットカード/銀行振込/分割払い(セディナ)がご利用いただけます。

横山玄太郎 作品販売ページ 

横山玄太郎
横山玄太郎
Gentaro Yokoyama
東京都出身。2001年アメリカ・メリーランド州「ティーポット100選展」入選、2003年「第22回越前陶芸祭ユニークな器展 2003」入選、2009年水戸芸術館グループ展「手で創る」、2015年個展「WHITE OUT」(銀座三越)、2016年韓国釜山での個展など国内外のギャラリーで作品を発表。2018年から参加する〈The TEA-ROOM〉では茶会をプロデュース。