FAMILY
大河紀の作品は、浮世絵の概念を現代の感性で再解釈することを特徴としている。《FAMILY》シリーズでは、自己形成の過程をテーマに、既成概念の外にある「異物」との出会いを通して自我が形づくられていく様を表現している。 異なる価値観を受け入れ、噛みしめ、飲み込み、やがて腹の底に落とし込むようにして、人は自らの輪郭を得ていく。
ここでの「ファミリー」とは、血縁に限られた枠組みではなく、異なる文化や宗教、偶然の出会いまでも含んだ関係性の総体である。多様な他者との交わりの中で生まれる自己のかたちを、大河は現代の“浮世”として描き出している。
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