
那須慶子 個展「Crazy Moments 〜奇跡の瞬間〜」
2022.07.08(Fri) – 2022.07.17(Sun)
YUGEN Galleryにて2022年7月8日(金)〜7月17日(日)の期間、アブストラクトアーティスト那須慶子 個展「Crazy Moments 〜奇跡の瞬間〜」を開催します。
焦点をあてず、色をつなぐ
詩人の父と帽子デザイナーの母を持ち、児童雑誌で絵が表彰されるなど幼少期から絵の評価は高かったものの当時は絵の道ではなく昆虫学者を志していたと話します。自宅の庭のユーカリの木の皮を剥いではその内側を眺めたり、葉脈や昆虫の鱗粉を顕微鏡で観察することに興味があり、自然が生み出す模様に心を動かされていました。病弱で床につく時間が多く、天井にあるシミを眺めては想像を広げていたことと合わせて、那須のアブストラクトアートの素養の一端はそんな幼少期に見てとれます。
わかりやすさへの違和感
「今、SNSで飛び交うのは直截的な言葉ばかり。絵にしても形を正確に捉えることだけが正義とするような風潮もある。私自身モノトーンの作品は大好きですし、作家として線は極力少なくシンプルな表現は理想。でも、わかりやすさを目指すばかりの世の中への違和感がある」。これが那須を抽象表現に向かわせています。
幼少の頃週末に教会に通うなかで、那須は人間は最後には絶対わかりあえると教えられてきました。しかし、政治や宗教は言うに及ばず、日常の人との関わりなど「わかりあえなさ」で世界はつながっていることを知ります。「同じような考えを持っていても、ほんの少しの違いだけで対話は断絶されてしまう。そんなわかりあえなさを乗り越える手段としてのノンフォーカス」。
キャンバスに塗り重ねられる色
目をつぶった時に瞼の裏に浮かび上がる星のようなもの、眠る前に暗闇の中で広がる説明のつかない光景を色の重なりで表現できるのではないか。人の心のありようであって、異世界へのとっかかりのようなものを「面白がっているだけ」と那須は制作の動機を話します。
本展のタイトルは、キャンバスに筆を下ろした瞬間から作品が完成し筆を止めるまでの作家にとって「狂おしい」ほどの想いや時間、そして空気感を観る人と共感することを願ってのもの。折り重ねられた色と時間を分かち合うことは生の実感であり喜び。観る者によって浮かび上がる色の違いは、全方位で生の自由を受け入れることを表しています。
これは世界で紛争が起こる度に、命の最優先を訴える作品を発表してきた那須に一貫する姿勢。クレイジーという語感とは真逆の生きとし生けるものへの愛おしさで、複雑極まる世界をキャッチします。
色が交じり、つながる世界
作家が心のありようを描くのと同じく、観る者もアートで自身の内奥にある純粋な色を見つめます。那須の作品は、わかりあえない世界で生の自由を保つために色の差異に注目することを訴え、色が交じれば交じるほど、交じりっけのない色が浮かび上がってくることを示しています。
展示作品

自然界からの響音

土曜日の黄昏

魂の奥にある景

糸口の明
※展示作品は一部変更となる場合がございます。ご了承下さい。
作品販売について
展覧会開催と同時にYUGEN Gallery公式オンラインストアにて、作品の閲覧・ご購入が可能となります。
限定アートブック

ご来場時にアンケートフォームよりご回答頂いた方限定の特典となりますので、奮ってご回答ください。
那須慶子 個展「Crazy Moments 〜奇跡の瞬間〜」アートブック
収録アーティスト:那須慶子
B4版/定価1,650円(税込)
※アートブックのデザインは一部変更となることがございますのでご了承ください。

那須慶子
KEIKO NASU
国内外の展覧会で抽象画作品を発表し、広告や雑誌でも活躍しているアブストラクトアーティスト。 代表作品に六本木歌舞伎、スターフライヤー 、百貨店、化粧品会社の背景画や出演がある。
作家ページへ会期
2022.07.08(Fri) - 2022.07.17(Sun)
会場
YUGEN Gallery
住所
東京都渋谷区渋谷2-12-19 東建インターナショナルビル3F
開館時間
土日:13:00 〜 19:00
※最終日のみ17:00終了
作家在廊日
7月8日(金) 14:00〜19:00
7月9日(土) 16:30〜19:00
7月10日(日)〜17日(日) 終日
休館日
なし
入館料
無料
注意事項
※状況により、会期・開館時間が予告なく変更となる場合がございますのでご了承下さい。