サッカラーニ 愛 個展「生活」
2023.09.02(Sat) – 2023.09.07(Thu)
YUGEN Galleryでは2023年9月2日(土)〜9月7日(木)の期間、サッカラーニ 愛(いとし)の個展「生活」を開催します。
日々の生活から生まれる芸術
抽象表現のほかに絵本の挿絵のように観る者の想像を膨らませる繊細なスケッチやアニメ作品のオマージュを思わせるポップなイラストなど数多くのコミッションワークも手がけているサッカラーニ 愛は、1987年東京都出身。イギリス、インド、沖縄と多様なルーツをもち、インターナショナルスクールと日本の公立学校で教育を受けるなど絶えず変化する環境の中で育ちました。
「人間は生まれ育った地域や風土、出会う人たち、そして受け継がれてきた遺伝子といったすべてが情報として身体に蓄積されて人生を生きている」
油絵を趣味にしていた父親の影響で幼少の頃から絵に親しみ、高台にある自宅の屋根にひとり上っては、そこからの眺めの絵をよく描いていたといいます。風や木々の香り、街並みの風景、そして家族と交わした言葉や時間。見たままにはわからない多様に折り重なる光景が思い出となり、人の心と身体を構成する。かけがえのない日々の生活を生きることで美しく芸術は成り立つとするサッカラーニの信念です。
感覚的思考で描く
例えば「2021.No.14 回転する胎児の夢」では、広大な銀河空間を思わせる背景や淡い色面の静的なものと絵具の跳ね、花々に見える色斑や肉体感のあるスクレイピングの動的なものが拮抗した世界が展開され、コンピューターに起きるバグから現れるピクセル模様が描かれています。
これまでの人生で身の回りの多くのもの、人に助けられ、今の存在があると話すサッカラーニ。「作家とは、作品とは生きることそのものの現れ」というように身体を通過した有象無象の色を捉え、地上を離れた四次元的世界へ解き放っているかの抽象表現に観る者は自らの人生とシンクロするのを感じ、画面に飛び込んでいくような没入感覚を得ることでしょう。
存在を作り、存在を受け入れる
今年3月に東京・四谷のアートスペース〈YOTSUYA ART DROPS〉に展示されたF100号を2枚綴りにした作品「2023.No.4」。自然エネルギーのうねりともいうような生命力が画面から溢れ、水面の煌めきのようにも現実との結界のようにも示される円いピクセル。まさに気韻生動とした近作に充実と成熟を自覚しつつも技巧的かつ作為的なものを排除した「馬力のある」作品を手がけるべく、さらにスケールアップした制作に取り組みます。
「海や月の美しさ。それは意味が先行してあるのではなく、ただ存在がある。その存在の美しさに意味を当てはめようとすると自然なものでなくなる。僕は存在を作れればいい」
広大なキャンバスは、何も描かかれていない状態で作品といえるほどの存在感があるといいます。いつ生まれ、誰と巡り合い、どんな言葉をかわし、どこへ行くのか。人生における偶然に積極的な意義を見出すサッカラーニ 愛の表現。かつて自宅の屋根から風景を眺めていたように、すべての存在をありのままに受け入れ、解き放ちます。
展示作品
※展示作品は一部変更となる場合がございます。ご了承下さい。
作品販売について
展覧会開催と同時にYUGEN Gallery公式オンラインストアにて、作品の閲覧・ご購入が可能となります。
来場者特典のご案内
展示作品や展覧会ステートメントが1冊にまとめられた、本展のみのオリジナルアートブックです。
サッカラーニ 愛「生活」 アートブック
B4変型/定価1,650円(税込)
サッカラーニ 愛
1987年東京都出身。画家。学生の頃にグラフィティアートに影響を受け、イベントのポスターやフライヤーを手がけたことから創作活動を開始。作家としての作品発表のみならずアパレルメーカーとのコラボ、店舗やパブリックスペースにおける絵画制作、企業のロゴデザインといったコマーシャルワークを数多く手がける。また、不定期営業の創作カレー屋「ONE TWO CURRY TOKYO」とボーダーレスに活動している。会期
2023.09.02 (Sat) - 2023.09.07(Thu)
会場
YUGEN Gallery
住所
東京都渋谷区渋谷2-12-19 東建インターナショナルビル3F
開館時間
※最終日のみ17:00終了
休館日
なし
在廊日
期間中毎日
入館料
無料
注意事項
※状況により、会期・開館時間が予告なく変更となる場合がございますのでご了承下さい。