いただきます 2019 北浦 雄大
サイズ | 35 cm × 25 cm × 8 cm |
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素材 | 色漆(ベンガラ) 赤呂色漆 青呂色漆 パール粉(金、銀) |
制作年 | 2019 |
価格 | ¥(JPY)66,000 (税込) |
ONBEATキュレーション作品
■ステートメント
子どもの頃、夏になると三重の海水浴場で石や貝殻、陶片、流木など拾い集めた後、伊勢の神宮に参詣し、マコンデ美術館に行くのが恒例でした。
今思えば、私が楽しみにしていたこうしたイベントは、自然物がヒエロファニーとして芸術に昇華されるのを間近に感じられる体験であったし、現在の私の表現意欲の根源になっていると思います。
大学時代に漆と出会い、その土着性と質感に惹かれた私は、それ以降、漆と縄文の関係を探ってきました。
血色を想起させる赤色顔料を混ぜた漆が施された縄文時代の土器・櫛・祭祀具などは、再生のシンボルとして縄文人の精神世界を支える役目を果たしていたのではないかと考えられます。
こうした縄文時代の道具や行為、遺構などのほか、寺社仏閣に残る縄文的な存在にも触発され制作をしています。
■《いただきます》について
縄文人は死者の再生を願い、ベンガラを敷き詰めた土坑墓を母胎に見立てて埋葬をした。
また、五穀豊穣を願う行為として、土器を故意に破壊し、その断片を撒いたと考えられる。
また『古事記』の中にある、死体の断片から新たなる生命が誕生する「大月姫型神話(ハイウィレネ型神話)」にも共通する死生観が見受けられる。それらを一つの作品に集約した。
