月 阿吽 2021 北浦 雄大
サイズ | each: 35 cm × 45 cm × 6 cm |
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素材 | 色漆(本朱) 赤呂色漆 青呂色漆 パール粉(金、銀) |
制作年 | 2021 |
価格 | ¥(JPY)275,000 (税込) |
ONBEATキュレーション作品
■ステートメント
子どもの頃、夏になると三重の海水浴場で石や貝殻、陶片、流木など拾い集めた後、伊勢の神宮に参詣し、マコンデ美術館に行くのが恒例でした。
今思えば、私が楽しみにしていたこうしたイベントは、自然物がヒエロファニーとして芸術に昇華されるのを間近に感じられる体験であったし、現在の私の表現意欲の根源になっていると思います。
大学時代に漆と出会い、その土着性と質感に惹かれた私は、それ以降、漆と縄文の関係を探ってきました。
血色を想起させる赤色顔料を混ぜた漆が施された縄文時代の土器・櫛・祭祀具などは、再生のシンボルとして縄文人の精神世界を支える役目を果たしていたのではないかと考えられます。
こうした縄文時代の道具や行為、遺構などのほか、寺社仏閣に残る縄文的な存在にも触発され制作をしています。
■《月 阿吽》について
縄文時代には、月、蛇、水が再生のシンボルとして多く扱われていた。
しかし神社を訪れると、縄文時代にはあまり見られなかったモティーフが再生のシンボルとなっているのを発見することもある。
そうしたものの一つであり、始まりと終わりを表現する「阿吽」の概念をモティーフに、縄文から神道へと形を変えながら継承される「生命の円環」に対する観念を作品化した。
