銀鏡(宮崎) 2018 市村徳久 NORIHISA ICHIMURA

サイズ 90 cm × 120 cm
素材 ラムダプリント
制作年 2018
価格 ¥(JPY)352,000 (税込)

ONBEATキュレーション作品

■ ステートメント
「古事記」に記された神話上の出来事が起こった舞台を撮影し、神話の伝承地にたたずむ必然的な理を写そうと試みた一連の作品を「巖菊」シリーズと名付けました。
現地に赴き撮影を続ける中で、私は自分が今見ている景色は、「既に誰かによって見られた景色」であろうという既視感を伴う記憶的な視点であることに気が付きました。
「二人称から三人称への視点の変化」を意味するそれは、既に誰の視点とも言えない「超主観映像」とも言うべき視座の発見でした。
時間軸をも超えて見通すことができるような不思議な感覚に捉われ、結果的に「不特定の視点や時間が多層的に混在する世界」をすりガラス越しに見ているような写真が生まれました。

■ 作品について
宮崎県の銀鏡(しろみ)という地域が作品の舞台。
古事記上巻によると、天孫ニニギノミコトは高千穂峰に降り立った後、九州南端の笠沙の岬にて絶世の美女コノハナノサクヤビメに出会う。あまりの美しさに一目惚れしたニニギは即座にコノハナノサクヤビメに求婚するが、父の意見を聞かずに結婚することはできないと山の神である父オオヤマツミに相談する。父はあまりに高貴なニニギの姿に感動し、結婚に賛同、姉のイワナガヒメとコノハナノサクヤビメをニニギと婚姻させようとするが、ニニギはあまりに醜いイワナガヒメだけ送り返してしまった。短命で美しい桜の神であるコノハナノサクヤビメと長寿で岩の神であるが姿はとても醜いイワナガヒメは、それぞれ繁栄と永遠を象徴する。容姿だけで判断し永遠を受け入れることをしなかったニニギ以後は限りある寿命になったという、生死にまつわる伝承を持つ。
また銀鏡(しろみ)と名付けられたこの一帯はイワナガヒメが自身の姿をみて驚愕し、投げ飛ばした鏡が龍房山の頂上に引っかかったという伝承から名付けられた地名とも言われる。
実際の風景はとても美しく威厳に溢れ、春の風に揺れる木々と強風にも微動だにしない岩との対比が神話世界を偲ばせ、あまりに美しいその風景の下で暫くその場から動くことができずただただシャッターを切り続けていた。

※表示価格はフレームなしの場合の価格です。鉄フレームを含むと¥660,000(税込)です。

市村徳久 NORIHISA ICHIMURA 作家について