MOTEL

記号化された現実世界と感情の交錯をテーマに、風景の再解釈に挑む個展《XING（クロッシング）》の出展作品。
本展では、Googleストリートビューから抽出した世界中の街角の断片を重ね合わせ、どこにも存在しない“交差”の風景を描き出している。標識や看板といった誰にとっても同じ意味をもつ記号に、作家が感じる偶然や記憶の揺らぎが折り重なり、現実と心象が交錯する新しい風景画として立ち上がる。デジタルのバグや異なる時系列のズレといった偶然性を受け入れながら、辰巳は心で感じた色の組み合わせに導かれるように、画面に豊かな奥行きを刻んでいく。