津田光太郎 Koutaro Tsuda

津田光太郎
津田光太郎

ロボットや恐竜、SFヒーローなど日本の特撮映画の世界観。
聖書で伝えられる物語の実在性を訴えたバロック絵画の劇的な手法に倣いつつ、漫画の視覚表現を交えて描いている。力強い筆触で躍動感ある画面の意図に「揺り返し」がある。あえてバランスを崩した画面構成により鑑賞者の目線と意識を動かし揺らすことで、物事を一方から眺めるのではなく、振り子のように価値観を逆側に振って観察することを促す。バロック絵画がそうであったように人間性の探究がテーマ。
筆と絵の具でひとつひとつ物語を描き上げていく伝統的な油彩でキャンバスに向き合うことは作家自身の自己探究法であると話す。突き詰めた自己探究が一方に揺り返って他者への興味関心となってわき上がってくる。テクノロジーが何物にも先行しているかの時代に人間回帰を志向する揺さぶり。

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